人生100年時代に、日本人の働き方はどうシフトすべきか? 本書では、世界の潮流を例に、旧来の日本的なライフスタイルではいずれ立ち行かなることを示しつつ、どのように働き方を変えれば、日本のビジネスパーソンが生き残ることができるか、その解決策を具体的に提示する。具体的には、 ●生き方・働き方が衝撃的に変わる未来 ●世界も日本も「リベラル」になっている ●組織に属す働き方、属さない働き方 ●「好きなことで生きていく」しかない残酷な世界 ●「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる ●「どこでも誰とでも働ける」という生き方 ●始めるのに遅すぎるということはない など、煩わしい組織や人間関係から抜け出し、未来世界で生き延びるヒントが満載! これからの生き方・働き方に危機感をいだいている人、必読の1冊。『働き方2.0vs4.0』を改題し、文庫版だけの「特別寄稿」を加えて、再編集。
正社員と派遣社員だけではなく就職偏差値が「身分制 」と言えると思うが、その参加資格は大学の偏差値によるため、受験戦争が過熱する。つまり、学校の試験の出来具合が、一直線に「将来の身分制」に繋がっている。やり直しの効きにくい勝ち抜き戦である。会社人生とは、他人の支配下において、雇われ、尚且つ他者との比較で評価されるために、基本的に「不愉快」なものである。それに対して、やり直しの効かない社会、というのが不条理の根源という気がする。 どれだけ信用があっても巨額のプロジェクトを契約を個人と結べないのは、当事者がいつ死ぬか分からないから。そのため長期投資は、組織と契約するようになる。また、個人は気まぐれでもある。故に、会社はなくならない。個人単位では信用のスケールに限界がある。 新たな会社を興すのは容易ではない。それなりの力に加え、モチベーションが必要だ。だから大多数は雇われて生きるしかない。デジタルデバイドが解消されても、モチベーションデバイドが残る。故に教育格差は埋まらない、と橘玲は言う。同感だ。モチベーション格差こそ、奴隷と支配者を分ける。奴隷の扱いが緩やかになるか、苛烈になるかが偏差値の序列により決まる、というだけの構図だ。ならば、自由になるためには支配者を志向するしかないのか。 一方で、リスクの低いギグ単位のフリーランス化が進む。拘束がインスタントで、直ぐ支配関係を切り離せる。合わせてこれらプロジェクトやギグを管理する管理職が必要であり、近い将来は、管理職とフリーエージェントを増やし、管理職のソーシャルスキルが更に重要になるという。 ー 日本社会の昇進は、残業時間と相関する 女性は残業時間が少なく、故に昇進の壁が見えるという文脈での話だが、私はこれを奴隷の扱い易さを評価する証左であるものとして読んだ。モチベーションが高いと残業は増え、アウトプットはそれなりに上がる。 スコット・ギャロウェイが述べる「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」。ここに近づいているのかもしれない。緩やか、かつ、インスタントな切り売りで凌ぐのが賢い選択だろうか。民主主義が死なない限り、資本主義の支配者を牽制できるはずではないのか。
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